実践から化学を学ぶことを通して“自ら考え、自ら実践できる人材”を育成します

愛川高校との連携実験(実地調査)を開催しました

こんにちは 高村です。

応用化学科では、いろいろな高大接続、高大連携の講座や小学生向けの体験実験など様々な取り組みを展開しています。昨今のコロナ禍の影響で、こうした取り組みも縮小気味で、今年度は多くは開催を見送っています。

そんな中で、愛川高校が主体となって行っている中高大連携講座は今年は規模を縮小して実施となりました。この講座は2010年から始まって、今年で10年目になります。はじめは右往左往しながらの開催でしたが、その時は新聞記事にもしていただきました。

10年目の節目となる今年は毎年開催している8月の実習はWEB講義のみとして、9月の末に中津川の田代運動公園脇の河川敷で実地調査と、大学構内での実験講義となりました。

9月のちょうど連休最後の日に実地調査となりましたが、河川敷は大勢のキャンプ客でごった返しています。田代運動公園脇は近年、無料キャンプ場として人気で、整備も行われました。そのため、河川に生息する生物(水生昆虫)は少なくともその影響を受けています。近年では採取できる生物の数は目に見えて少なくなってきています。過去に採取できた水生生物のいくつかは、ほとんど採取できません。

 

本年度は9月に開催のためか、夏の高温のためか(実は採取河川である、中津川全体で水生昆虫の数が減っています)、または河川内にアクセスする人の数が増えたためか、またはそれらが組み合わさった複雑な影響で、採取できた生物数は極めて少ないものでした。正直、虫よりヒトが多いです。

しかしながら水質の良し悪しの判断となる指標生物による判定では河川水は「ややきれい〜きれい」に分類されることから、水質の悪化により生物数が少なくなったとは言えないようです。


中津川での水生昆虫の採取の様子

水生昆虫を採取したあとは大学の教室での、分類作業、河川水の分析を行いました。河川水の化学分析の結果も例年とは異なるものとなり、雨天が続いたためによる影響や、他の要因が河川水に影響を与えている可能性が考えられます。


教室での実習の様子

今年は、およそ4時間の超特急の実地講座でしたが、来年度以降は無事に開催できることを祈っています。オリンピックもあるみたいですしね。

分析値の経年変化も追っています