実践から化学を学ぶことを通して“自ら考え、自ら実践できる人材”を育成します

大和高校の「総合的な探究の時間」にお邪魔しました

こんにちは,高村です。

高校では「総合的な探究の時間」の科目が2022年から始まります。文科省的には「総合的な探究の時間」は、アクティブラーニングを基本として「主体的な学び」,「対話的な学び」,「深い学び」を体現するもので,「知識及び技能」,「思考力,判断力,表現力等」,「学びに向かう力,人間性等」のいわゆる三つの教育の柱の育成につながる重要な科目です(キーワードを並べただけ)。大学では「エンジニアリング・デザイン」系の科目と呼ばれたりもします。簡単にいうと,「テーマを自ら定めて,自学自習で,テーマ内容を深めていってね」という科目です。

昔,大学の西洋史の講義で「なぜドイツではナチスが誕生し,イギリスではそれに相当する政党が誕生しなかったのか?」という話をされている先生がいて(多分90分✕13回ぐらい,ずっとその話をしていた),ああ,世界史って「暗記」じゃなく「科学」なんだな,面白いなと,そのとき思ったのですが,つまりはそういうテーマを自ら設定して,それについて,「深く探究して考察する」ということがすべての研究の基本であり,それに類推することを若いうちから体験しよう(多分,小学生から)ということでしょうか。

大和高校は教育課程研究開発校に指定されていて,2022年からの当該科目の開始に先んじて、2019年からこの科目にとり組んでおられます。8月の末に、大和高校で「研究の組み立て方」的な講義をしてきましたが、今回は、高校生グループがテーマを設定し,選定したテーマをもとに,現在調べている内容や、今後の活動方針などを紹介する「中間発表会」の聴講へお邪魔してきました。中間発表とはいえ、原稿を見ないでの実践的な発表で、質問などにも活発に議論されていました。今回は8グループの発表を聞いていきましたが,様々なテーマがあり、マスクの有効性やAIなど、昨今の話題になっているテーマもいくつかありました。カタカナ語が多すぎる!と言う発表もあり,そういえば最近AIとかITとか,もうカタカナなのかなんなのかわからない略語も溢れています。人工知能じゃだめなん?

今後,さらに調べを深めていって,来年の2月には最終発表です。最終発表までにどの程度,調べが深まるのか,今から楽しみです。