実践から化学を学ぶことを通して“自ら考え、自ら実践できる人材”を育成します

プラゴミ大作戦

こんにちは,高村です。

7月の下旬に3回に分けて,プラゴミ回収に行ってきました。神奈川のプラゴミバスターズこと「海の森・山の森事務局」の皆さまにご指導いただきながら,神奈川沿岸部のプラゴミの回収に行きました。

今はマイクロプラスチックの海洋汚染が問題になっていますが,その汚染源は河川であり,その河川水に乗っかって海洋に排出されるプラスチックゴミはどうなっているのか?ということを解決するために,神奈川県版プラゴミ地図を作成しようと言う試みの一つです。「海の森・山の森事務局」の皆様は以前からプラゴミ問題に取り組まれており,今回も,プラゴミが多い海岸(沿岸)を教えていただきながら,現地調査となりました。今回調査した場所は相模湾西側の「真鶴・岩」東に位置する三浦半島の「城ヶ島」そして,相模川近辺の「茅ヶ崎海岸」です。

それぞれの場所で,回収できるプラゴミが大きく異なります。「岩」では,わりと新鮮?なプラゴミで,形がはっきりしているものがメインです。ペットボトルやライターなどが目に付きました。この様子は以前に映像で紹介しています。

岩 7月19日

一方で城ヶ島は形状がはっきりしたプラゴミもありますが,粉々に砕けたプラも海面に浮いています。「海の森・山の森事務局」代表の豊田さんの「ここがマイクロプラの生成工場かもしれない」という言葉は耳に残りました。砕けたプラがかなりの量,海面を漂っており,これが外洋に排出されるのかと思うと少しゾッとします(実はこれは後日談があります,またブログで紹介する予定です)。

城ヶ島 7月27日

関連して,神奈川県環境学習リーダー会の会報「環境リーダーNews No110」では相模湾の水の流れを石原博士が解説しておられます。これをみると,相模川からの流出汚泥が真鶴の「岩」のあたりへたどり着いているのがよくわかります。城ヶ島あたりのゴミは,境川からの影響と黒潮の影響もあるかもしれません。採取出来ているプラゴミが,どの程度の年月を経て漂着しているのかがわかれば,さらに詳しいプラゴミ漂着の現状がわかると思います。プラゴミの経年変化に関する研究が今後の課題になります。

さて,わりと大きなプラゴミが散在していた「岩」と「城ヶ島」ですが,茅ヶ崎海岸はまた違った様相を見せています。砂浜にキラキラと太陽を反射する細かな石や貝殻・・ではなく,砂以外の白やら青色やらの物体はすべてプラスチック片でした。大きなゴミは清掃で取り除いているようですが,プラスチック片が細かな木片などと一緒にそこら中に存在しています。砂以外はすべてプラスチック片という感じで,そのプラスチック片の多さに圧倒されます。1時間作業したところで1平方メートル内にあるプラ片ですら到底回収できません。プラゴミ回収用ルンバが必要です。

茅ヶ崎海岸 7月30日

場所により、プラゴミの形態が大きく異ることは驚きでした。さて、得られたプラゴミおよびプラ片は研究室に一部、持ち帰り実験に用いています。どのような実験結果となるか乞うご期待です。