実践から化学を学ぶことを通して“自ら考え、自ら実践できる人材”を育成します

生物化学実験

こんにちは、高村です。

応用化学科では、いくつかのプロジェクトを基本にカリキュラムが成り立っており、それぞれのプロジェクトに基づいた実験講義があります。エネルギーや医薬、環境、そして生物(バイオ)などが代表されるトピックスであり、それぞれの実験講義が用意してあります。

生物化学実験は、夏期集中講義として行われており、10日間(5日間✕2週)の連続の実験講義になります。本年度はコロナの影響も心配されましたが、人数を絞っての夏季集中開催となりました。応用化学科の学生ですが、生き物を扱う実験は、1年生の「卒業研究体験実験」のごく一部となっており、おそらく初めてという人ばかりです。そのため、かなり基礎から実験を行っていきます。卒業研究では、生物を扱う研究室もあるため、その予備運転にもなります。

講義は「ピペットの使い方」から始まり、「大腸菌の取り扱い、増殖」、「大腸菌特異的遺伝子の増幅(PCR)」など基礎的な実験技術を学ぶとともに、河川でのフィールドワーク(水生昆虫の分類)や、得られた昆虫の解剖、PCRなど多岐にわたります。水生昆虫で用いられるPCRでは、いわゆる「環境DNA」の解析に用いられる遺伝子を対象としており、もし時間があれば、遺伝子の解析なども行っていきます。

実験の最後には、パソコンを用いての遺伝子情報解析の方法について学んでいきます。大腸菌や水生昆虫で増幅した遺伝子の情報や、系統樹の作成の方法などを学びました。

生物化学実験は、高校の理科免許にも必要な実験講義となっています。体験した多くの実験は高校でも実施可能なように考慮してあります。いずれ、高校の先生になる学生もいると思います。高校教育での活用を思い出してもらえばと思っています。

以下は実験の様子、皆さん、楽しそうです(多分)

大腸菌の培養に使う培地作り,大腸菌の植菌もします
大腸菌からDNAの抽出の様子です

増幅した大腸菌のuidA遺伝子(一部)一番下のバンドに相当します。
川へ出かけて水生昆虫を採取、分類します
水生昆虫の解剖もしてみました。