わたしたちのような化学を学んできた人には,どちらかといえば衝撃的な論文が発行されました。
Goodbye to S2− in aqueous solution (Chem. Commun., 2018, 54, 1980-1983)
で中身は,水溶液中にS2−イオンはないんだ,という論文です。
高校の教科書でもありますよね・・
HS− + OH− ⇄ S2− + H2O
みたいな反応。この平衡定数だってしっかり記載されてます。でも「実は違うんだ」という論文です。
論文によると,どうやらこれまで平衡定数を測定してきた反応は
HS− + OH− + Na+ ⇄ NaS2− + H2O
で,結局,論文によるとS2−の生成は確認されなかったのだそう。
教科書に書いてあるようなことが,全否定される結末・・。
こんなことがまだまだあるのかも,って思うと化学って楽しいですね!