岩本嗣教授の研究グループ、画期的な研究成果を発表!

応用化学生物学科岩本教授の共同研究の論文が、学術雑誌「Biology」の表紙を飾るという快挙を達成しました。
この論文のタイトルは、「Bacillus thuringiensis Cry1A Insecticidal Toxins and Their Digests Do Not Stimulate Histamine Release from Cultured Rat Mast Cells」です。
研究内容
土壌中に生息する細菌の一種、Bacillus thuringiensis(バチルス・チューリンゲンシス)が
産生するCry1A毒素は、蛾の仲間である鱗翅目害虫の防除に広く利用されています。
本研究では、Cry1A毒素が、人体にアレルギー反応を引き起こす可能性について、ラットのマスト細胞を用いて詳細に調べました。
マスト細胞は、アレルギー反応に関わる重要な細胞であり、ヒスタミンという物質を放出することで、くしゃみ、鼻水、かゆみなどの症状を引き起こします。
今回の研究では、Cry1A毒素そのものだけでなく、消化液で分解された毒素の分解物も、マスト細胞からのヒスタミン放出を誘発しないことを明らかにしました。
研究の意義
この研究成果は、Cry1A毒素が、従来考えられていたよりも人体への安全性が高いことを
示唆するものであり、農薬の安全性評価において重要な知見となります。