神奈川工科大学バイオメディカル研究センターのグループ(応用化学生物学科 小池教授、高村教授、依田講師)は、電気電子情報工学科の武尾教授、阿部大学院生とともに、情報工学と生物実験の融合研究により、AI技術を用いて観察画像中の異常細胞の分類と検知を自動的に行うシステムを開発し、染色体異常を検出するための遺伝毒性試験の迅速化を実現しました。
小核試験は、DNA損傷を検出するための標準的な遺伝毒性試験ですが、手作業で細胞を数えるため、観察者の技量やミス、時間がかかることが問題でした。そこで本研究では、細胞の正常/異常を分類する深層学習技術であるCNN(畳み込みネットワーク)を利用し、自動で小核を検出するアプリケーションを開発しました。このアプリは、アクリジンオレンジで染色された細胞の画像をRGBチャネルに分離して分析し、細胞核と小核を正確に識別します。手動カウントと同じ精度で結果を得ることができ、解析時間を10分の1以下に短縮しました。また、細胞染色条件に応じて、閾値やノイズ除去などのパラメータを手動で調整する機能も備えています。これにより、効率的かつ正確に小核試験が行えるようになりました。
記事:https://www.u-presscenter.jp/article/post-53564.html
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