実践から化学を学ぶことを通して“自ら考え、自ら実践できる人材”を育成します

下世話な話ですみません

こんにちは、高村です。

もうすっかり春なんて通りぎて梅雨です。このブログを書き終わっているころはきっと雨模様でしょう。週間天気も曇りやら雨やらが続きます。今年は『春を愛でる』なんてことができませんでしたが、春っぽい食べ物は(去年までと変わらずに)、スーパーなどのお店の陳列棚で見ることができました。こうした状況の中でも、スーパーやらには食料品が並びます。ありがたいことです、感謝ですね。春っぽい食べ物というと・・アサリ、春キャベツ、新じゃが。キャベツは「春」ですがじゃがいもは「新」です。そしてアスパラガス。この時期は北海道産がお店に並んでいます。

アスパラガスといえば、緑色をしていて新緑〜なイメージ(個人的感想)ですが、ヨーロッパでは白いアスパラガスが人気だそうです。昔は(いつもの昔話ですみません)瓶詰めの白化アスパラしか見たことない気がするのですが、いつからなんでしょうね、日本人の食卓に緑色のアスパラガスが並ぶようになったのは。結構昔から国内で栽培されているみたいなので、私の実家の食卓に出なかっただけかもしれません。

さて、そんなアスパラガスですが、日頃、山のようにやってくるメールマガジンの一つに特集がされていました。個人的にかなり衝撃を受けた記事なので紹介します。題して「アスパラガス尿の臭い」(DOI: 10.1002/chemv.202000015)・・・・全く理解できませんが、「アスパラガス尿の臭い」が4回シリーズ!で連載されています。4回もシリーズもので連載するような内容なの?と頭の中が???とハテナマークでいっぱいです。

記事内容はこうです。「アスパラガスを食べると尿が臭う」(・・経験ないんですけど)、でもWEBで調べてみると日本人の2割のヒトはこの体質なんだそうです。かのベンジャミン・フランクリンもこのことにブツブツ文句言っています。

なるほど記事に需要はある。で、この連載もの・・「アスパラガスを食べると尿が臭うのは何が原因なのか?」とニオイ物質の特定に命をかけた(多分かけてない)科学者の壮絶な戦いを記載しています(多分そこまででもない)。

その記事の最初の方には次の記載があります・・1830年代にHenryとPlisson(先生と生徒の関係です)というフランスの科学者が、臭いの成分は「アスパラギン」ではないかとして研究を進めた・・・。もう臭いよりこっちのほうが衝撃でした。「えーっ」てなりました。アスパラギンというといわゆるタンパク質の成分であるアミノ酸です。有名です。アスパラギンって、アスパラガスから単離されたアミノ酸なのでアスパラギンです。みなさん知ってましたか?常識なんでしょうか・・、生物の授業では豆知識のように先生が伝えたりしている?「アスパラギンってさー,アスパラガスから見つかったからアスパラってついてるんだよねー」とか言って。(今度使います。)人生終焉まであと少しなのに、「こんな単純(そうなこと)を知らずに過ごしていたとは!」という感じで頭をハンマーで叩かれてます。なんでも単離された最初のアミノ酸だそうです。(そんなの知っているよ!というヒトはこそっと教えて下さい。)

なんでもアスパラガスには「かなりの量の」アスパラギンが含まれていて、HenryとPlissonは研究の過程でアスパラギン酸を単離しています。(だれか実験してみて下さい。)

で、結局の所、アスパラギンやアスパラギン酸はニオイ成分の元ではないのです。原因物質の元はアスパラガス酸(の代謝物)ということです。アスパラギン、アスパラギン酸、アスパラガス酸・・・アスパラガスだけでいろいろ化合物名がついているんですね・・。ちなみにアスパラガス酸はアスパラガス40kgから30gくらい取れるようです。

左からアスパラギン、アスパラギン酸、アスパラガス酸

私の愛読書であるマギー著のキッチンサイエンスに記載がありました・・アスパラガス尿の臭いはスカンク臭と一緒・・・。